犬の餌のレパートリーとして、ドッグフードの代わりに話題になるのが鶏のササミ。安い、低カロリー、高タンパクと最高で、さらに人間もいくらでも食べられる。
ただ、実は犬にとっては気を付けないといけないことがあります。それは、鶏のササミはリンが他の肉類よりも多く含まれていること。
リンが多く含まれていることを知らず、与え続けていくと愛犬はどうなってしまうのか。リン過剰摂取の危険性を含めて、ここでは触れていこうと思います。
この記事の目次
犬にササミを毎日与える時の注意点は1つだけ

カルシウムもしっかりと十分量を摂取させることですね!ちなみに、付け足すと生肉のリスクがありますので注意しましょう。
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犬が喜ぶカルシウム豊富な食品とは
ササミを与えている、もしくは与えようと考えているのであれば、あなたは普段から手作り食か半手作り食なのだと思います。
ドッグフードを使わず、手作り・半手作りの場合は出汁を取った煮干し、ゴマ、木綿豆腐、辺りがオススメ。
他にも粉末サプリをふりかけるのもいいでしょう。食品から摂取させてあげたいと思うかもしれませんが、サプリの方が摂取させやすいです。
カロリーも考えずに済むため、常備しておくと便利なので非常にオススメ。ちなみに、煮干しを出汁を取ったって表現したのは、犬にとってナトリウムは非常に吸収・排出が難しいミネラルだからです。
煮干しをそのまま与えると過剰摂取になる可能性が高すぎるので、与えるなら出汁を取ってからのほうが良いため限定的な表現にしました。
チーズもオススメしたいところですが、人間向けのチーズではなく犬用に作られた専用チーズのみ与えてください。
6Pチーズ1つをとっても、0.4〜0.5gほど入っているため犬にとっては、非常に高塩分になります。絶対に与えないようにしましょう。
ただし、カルシウム過剰になると犬の体に悪影響を及ぼしてしまいます。
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リンの過剰摂取は犬にどんな影響を与えるのか?
リンの過剰摂取はカルシウムとのバランスが崩れてしまいます。バランスが崩れてしまうと、リンの過剰摂取を打ち消すが如く体内のカルシウムをフル動員。
カルシウムを出す場所は、犬の骨格に当たる骨から出すわけですから、犬の骨が脆くなってしまいます。
もろくなるということは、少しの衝撃で折れやすくなったり、何も無いのに折れてしまったり・・・。人間の骨粗鬆症状態になってしまう危険性があるんです。
また、犬にとっては致命的とも言われる「腎不全」も強く関わっていることも、忘れてはいけません。腎臓病は人間と違い、犬の場合はかなり見分けにくいこととして有名な病気です。
見分けにくいため、飼い主がおかしいと思った時には、末期になり残りの余命をどう過ごすか。こんなことを獣医から宣告されてしまう飼い主も珍しくない病気です。
しかも、腎不全は不治の病気なのに簡単に引き起こすことが出来てしまうのが、さらに怖いところと言えるでしょう。
犬にとって理想的なリンとカルシウムの比率とは
リン:カルシウム=1:1.2〜1.4が理想的と言われています。では、ササミはリンをどれくらい含んでいるのか、というのが気になりますよね。
今回は、文科省にある食品データベースに打ち込んで調べてみましょうか。
外部リンク→文科省「食品成分データベース」へ
上の文科省が作った食品成分データベースに検索して打ち込むと、ササミの生で220mg含まれている、と表示されます。
では、一方のカルシウムはというと・・・たった3mgしかササミには含まれていないんですよね。
カルシウムとの倍率は約73倍にも当たります。これでは、比率とかの話しなんて触れなくても問題ないですよね。単位こそ小さいですが、メチャクチャ差がありますっ!って言えますから(笑)
リンに関して特に気を付けたいのはジャーキー類

市販のジャーキーや手作りジャーキーを利用する際は、確実にリンが過剰供給になります。しかも、市販のジャーキーは味付けもしてあって、犬が好みやすく作られているので要注意。
1週間に1回とかの頻度であれば問題は起こらないでしょう。しかし、毎日与え続ければ「腎不全」に近づくことになります。腎不全は気付いた時は手遅れな事が多いです。
ジャーキーを与えるのなら、必ず注意しましょう。
まとめ
リンとカルシウムなどのように、栄養素の勉強をしない手作り食・半手作り食はオススメできません。
手作りのほうが安心感があるのは、普段から私たちが自分で調理したり、調理されたものを食べる心理からきています。
とはいえ、人間と同じ心理が愛犬にも適用できて、さらには喜ぶかというと微妙なラインなんですよね。
今回のササミとリンの過剰摂取を読んで、自分には手作り食は無理かもしれない・・・と感じたら、完全栄養食であるドッグフードを与えるのがオススメです。